<調査結果の要約>
1)平均-14.3%の下落
2)最も減少したファンドは、ニッセイ/AEW・米国リートオープンBコース(為替ヘッジなし)
3)最も減少しなかったファンドは、オーストラリア・リート・オープン
4)運用会社での調整原因の見解
・債券利回りの上昇と株式市場の調整
・住宅市場の低迷
・サブプライム住宅ローン問題
5)運用会社の今後の見通し
・リート市場の魅力は中長期的には変化なし
・調整後の価格の安さに投資家が着目(投資増)
6)私見(今期の見通し)
・基準価格の下落が大きいので昨年並みのリターンは今年望みにくい
| 順位 | 運用会社 | 投資信託名 | ボーナス分配月 | 分配金 | 2/23価格 | 6/28価格 | 増減率 |
| 1 | ニッセイアセット | ニッセイ/AEW・米国リートオープンBコース(為替ヘッジなし) | (3月、9月) | 4520 | 15281 | 10003 | -34.5 |
| 2 | AIG投信 | AIG米国REITインカムファンド(バイリンガル)Bコース(為替ヘッジなし) | 6月、12月 | 3350 | 12116 | 10032 | -17.2 |
| 3 | ニッセイアセット | ニッセイ/AEW・米国リートオープンAコース(為替ヘッジあり) | (3月、9月) | 3200 | 13592 | 9326 | -31.4 |
| 4 | 野村アセット | ノムラ日米REITファンド | なし | 3120 | 14960 | 12093 | -19.2 |
| 5 | 日本投信 | グローバル・リート・セレクション | 6月、12月 | 2985 | 11561 | 10072 | -12.9 |
| 6 | ゴールドマンサックス | ゴールドマンサックス 米国REITファンド Bコース(為替ヘッジなし) | (2、5、8、11月) | 2860 | 16167 | 13587 | -16.0 |
| 7 | 興銀第一ライフ | DIAMワールド・リート・インカム・オープン(世界家主倶楽部) | 6月、12月 | 2740 | 12563 | 10671 | -15.1 |
| 8 | AIG投信 | AIG米国REITインカムファンド(バイリンガル)Aコース(為替ヘッジあり) | 6月、12月 | 2650 | 11718 | 9719 | -17.1 |
| 9 | 日本投信 | ワールド・リート・セレクション(米国)(十二絵巻) | 6月、12月 | 2385 | 11204 | 9915 | -11.5 |
| 10 | 野村アセット | グローバルREITオープン | (3、6、9、12月) | 2300 | 13260 | 11247 | -15.2 |
| 11 | 日本投信 | ワールド・リート・セレクション(米国)為替ヘッジあり(十二絵巻 為替ヘッジあり) | 6月、12月 | 2035 | 10804 | 9331 | -13.6 |
| 12 | ゴールドマンサックス | ゴールドマンサックス 米国REITファンド Aコース(為替ヘッジあり) | (2、5、8、11月) | 1940 | 14043 | 11573 | -17.6 |
| 13 | 野村アセット | 野村世界不動産投信 | 1月、7月 | 1440 | 13469 | 12222 | -9.3 |
| 14 | 日興アセット | 日興・AMPグローバルREITファンドA(ヘッジなし) | なし | 1290 | 18918 | 16589 | -12.3 |
| 15 | 野村アセット | 米国不動産投信ハイ・インカムオープン(りそなリート) | (12月) | 1220 | 11299 | 10566 | -6.5 |
| 16 | 国際投信 | ワールド・リート・オープン | なし | 1120 | 17866 | 16503 | -7.6 |
| 17 | 大和投資信託 | ダイワ・グローバルREITオープン(世界の街並み) | なし | 1020 | 14107 | 12760 | -9.5 |
| 18 | 三井住友アセット | 三井住友・グローバル・リート・オープン(世界の大家さん) | なし | 890 | 19914 | 18040 | -9.4 |
| 19 | 三菱UFJ投信 | オーストラリア・リート・オープン | なし | 810 | 16996 | 16682 | -1.8 |
| 20 | 大和投資信託 | ダイワUS-REITオープンBコース(為替ヘッジなし) | なし | 720 | 15948 | 14141 | -11.3 |
| 20 | 日興アセット | ラサール・グローバルREITファンド | なし | 720 | 19111 | 16767 | -12.3 |
1.基準価格の状況
今年の基準価格で、高い水準にあった世界同時株安前(2月)の価格と、昨日(28日)の基準価格を比較することで、現在の状況をみました。
国際REIT型分配金ランキング上位20のファンドでは、平均-14.3%の下落となっています。特に、今年3月に多額の分配金(3260円)を出したニッセイ/AEW・米国リートオープンBコース(為替ヘッジなし)は、-34.5%と基準価格が最も下落しました。
なお、昨日の基準価格は、世界同時株安での安値より、さらに下回り、3年位前の水準まで低下しています。
以下、下落率の高いファンドベスト5は、以下のファンドで、米国を主な投資対象にしたファンドです。
以下のファンド名称をクリックするとyahooファイナンスの基準価格グラフのページにリンクしますが、このグラフをみると全てのファンドで、今年2月の世界同時株安の安値よりも下がっています(なお、このグラフは変動しますので、このブログを見る時期によって多少違いがあります)。
・ニッセイ/AEW・米国リートオープンBコース(為替ヘッジなし)
・ニッセイ/AEW・米国リートオープンAコース(為替ヘッジあり)
・ノムラ日米REITファンド
・ゴールドマンサックス米国REITファンドAコース(為替ヘッジあり)
・AIG米国REITインカムファンド(バイリンガル)Bコース(為替ヘッジなし)
基準価格の下落率で最も低いファンドは、三菱UFJ投信「オーストラリア・リート・オープン」の-1.8%です。
オーストラリア・リート・オープンの基準価格の推移をyahooファイナンスの基準価格グラフでみると、右肩上がりの上昇を示しており、今年2月の世界同時株安の安値よりも高い基準価格になっています。
・オーストラリア・リート・オープンの基準価格グラフ
このファンドの運用状況を、運用会社のレポートの要因分析でみると、為替要因(円安・豪ドル高)がプラスになったことが原因であり、REIT市場自体は軟調のようです(以下、本年6月11日付けの運用レポートの2ページにある「基準価格の変動要因(概算)」から抜粋)
基準価格の変動要因(概算)
不動産信託証券 -242
為替損益 519
信託報酬等費用 -5
当期基準価額変動額 272
(分配落ち)
※オーストラリア・リート・オープン「マンスリーレポート」2007.6.11
2.運用会社の見解
1)価格下落の原因
今回調査対象にした国際REIT型ファンドの運用会社で、特に米国REIT市場に関するレポートを参考にすると、価格の下落原因として、以下の点を指摘しています。
●債券利回りの上昇と株式市場の調整
●住宅市場の低迷
●サブプライム住宅ローン問題(損失の拡大を懸念)
金利上昇については、ゴールドマンサックス・アセットのレポートでは、金利上昇とREITの下落の関係に焦点をあてたレポートになっており、長期的にみれば、金利上昇とREITの下落の関連性はかなり弱いという見解を示しています。
AMPキャピタルインベスターズ(第一勧業アセット関連)のレポートでは、金利上昇時にREITの上昇がおきていることを指摘しています。
※野村アセット「最近の米国リート市場の状況について」
※ゴールドマンサックス・アセット「米国リート市場の投資環境」
※AMPキャピタルインベスターズ「世界中を駆け巡る金利先高感のREIT市場への影響について」
2)今後の見通し
●リート市場の魅力は中長期的には変わっていない
ファンダメンタルズは引き続き堅調(特にオフィス市場はよい)
大手企業の不動産投資のための資金調達(資金が市場に流入)
(野村アセット)
●調整の一巡後、米国リートは安定的に推移
この調整によりリートの割安感が回復すると、ファンダメンタルズ面での見直しからさらなる資金流入を引き起こせる可能性あり
(ゴールドマンサックス・アセット)
●この調整により財務状況や配当予想の良好なREIT関連銘柄も割安になっているので、投資家がこの機会を気づくはず(資金流入増を期待)
(AMPキャピタルインベスターズ)
3.個人的見解(感想)
運用会社の見解は、あくまでも長期的な見方をすることや、運用会社の立場(ファンドを売る立場で悲観的なことは言いにくい)もあり、多少割り引いてみる必要もあると思います。
調査対象のファンドの基準価格グラフをみれば、基準価格はかなり低下しているので、よほどの好材料がないと、今期中(来年3月)に昨年並みの基準価格の水準になりにくいと思います。従って、昨年並みのリターン(基準価格の値上益、分配金)は、今年の実績では望めないような気がします。
例えば、最も基準価格が下落したニッセイ/AEW・米国リートオープンは、世界同時株安前の堅調時期の基準価格よりも、5000円も下がり、設定期の募集価格1万円を下回ったような状態であるので、昨年と同じリターンを出せる基準価格に上げるのは、かなり難しいものと思えます。
★最近(7月)の状況★
この記事の内容は、再調査を実施しています。最新の状況は以下を参照ください。
国際REITファンド 基準価格の下落状況:7月版
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