対象ファンド(61本)のうち、分配金ベスト10のファンドの分配金、リターン、コストの状況を調べました。調査対象期間は2007年1月から2007年12月です。
<調査結果の要約>
1)分配金が最も多いのは、ピクテ投信「ピクテ・NSPB・エマージング・ソブリン・ファンド(3ヵ月分配型)」(960円)
「新興国関連」を投資対象にしたファンドは分配金が多い
(前回調査結果と同じ)
2)リターン(元本の値上り益+分配金)で最も多いのは、大和投資信託「ハイグレード・オセアニア・ボンド・オープン(杏の実) 3カ月決算型」
(前回調査結果と同じ)
分配金順位1位のピクテ・NSPB・エマージング・ソブリン・ファンド(3ヵ月分配型)は9位(前回調査結果と同じ)
3)元本の値上り益で最も多いのは、ニッセイアセット「ニッセイ/パトナム・ユーロインカムオープン」(前回調査結果と同じ)
4)コストでは、世界物価連動国債ファンド(物価の優等生)は比較的低く、ピクテ・NSPB・エマージング・ソブリン・ファンド(3ヵ月分配型)は高め
1.分配金
※分配金総額が多い順に列挙
※リターン内容は、分配金の調査期間に合わせ、2006年12月29日と、2007年の12月28日の基準価格をもとに比較
※手取り分配金は、分配金総額に対し口数を掛けて試算(概算ベース)
※値上り益は、税引き前の留保額の差引前(07年12月28日にファンドを所有していた前提での含み益/含み損)
※06年12月29日の基準価格で100万円分を購入した前提
※購入手数料は上限比率で試算(詳細は後述)
※総利益は、値上り益と手取り分配金の合計値
| 順位 | 運用会社 | 投資信託名 | 分配金 | 手取分配金 | 値上益 | 総利益 |
| 1 | ピクテ投信 | ピクテ・NSPB・エマージング・ソブリン・ファンド(3ヵ月分配型) | 960 | 72821 | -91869 | -19048 |
| 2 | 大和投信 | ハイグレード・オセアニア・ボンド・オープン(杏の実)3カ月決算型 | 855 | 66234 | 1894 | 68127 |
| 3 | AIG投信 | AIG新成長国債インカムオープン(レインボーシート) | 840 | 70421 | -39961 | 30460 |
| 4 | シュローダー投信 | シュローダー・アジア債券オープン Bコース(為替ヘッジなし) | 800 | 67427 | -51694 | 15733 |
| 5 | 野村アセット | ハイブリッド・インカムオープン | 765 | 58237 | -50667 | 7570 |
| 6 | 新光投信 | 海外物価連動国債ファンド(為替ヘッジなし)(PIファンド(為替ヘッジなし)) | 720 | 61111 | -19522 | 41589 |
| 7 | ニッセイアセット | ニッセイ/パトナム・ユーロインカムオープン | 640 | 42684 | 10968 | 53652 |
| 8 | T&Dアセット | 世界物価連動国債ファンド(物価の優等生) | 610 | 50935 | -10855 | 40080 |
| 9 | 野村アセット | ハイ・イールド ボンド オープン Dコース(為替ヘッジなし) | 609 | 50781 | -86906 | -36124 |
| 10 | 三井住友アセット | 三井住友・USボンドオープン(為替ノーヘッジ型)(たのしみ) | 600 | 54316 | -69304 | -14987 |
分配金が最も多いファンドは、ピクテ投信「ピクテ・NSPB・エマージング・ソブリン・ファンド(3ヵ月分配型)」(960円)です。国際債券型ファンドは分配金の水準が全般的に低く、年4回分配型ファンドの分配金ベスト20に含まれたファンドはないです。
ピクテ・NSPB・エマージング・ソブリン・ファンド(3ヵ月分配型)の過去1年間の分配金は以下のとおりです。
07年3月 240円
07年6月 240円
07年9月 240円
07年12月 240円
年間分配金ベスト10をみると、どちらかといえば、新興国を投資対象にしたファンドが、上位の方に多いです(1位、3位、4位)
<前回調査結果との比較>
前回調査結果と年間分配金で変化のあったファンドは以下のとおりです。
●年間分配金の増加
・ピクテ・NSPB・エマージング・ソブリン・ファンド(3ヵ月分配型)
年間分配金30円増加(12月の分配金240円。一昨年12月210円)
・ハイグレード・オセアニア・ボンド・オープン(杏の実) 3カ月決算型
年間分配金30円増加(12月の分配金225円。一昨年12月195円)
●年間分配金の減少
・海外物価連動国債ファンド(為替ヘッジなし)(PIファンド(為替ヘッジなし))
年間分配金90円減少(12月の分配金100円。一昨年12月190円)
・世界物価連動国債ファンド(物価の優等生)
年間分配金30円減少(12月の分配金120円。一昨年12月150円)
<毎月分配型の分配金ベスト10との比較>
毎月分配型の国際債券ファンドと比較すると、年4回、年6回分配の国際債券ファンドは、毎月分配型の半分位の分配金の水準になっています。
年4回・年6回分配 1位:960円〜10位:600円(平均740円)
毎月分配 1位:1906円〜10位:1020円(平均1404円)
※参考:国際債券ファンドの分配金ランキング(毎月分配)
<最新の半期との比較>
サブプライムローン問題の影響により、調査対象期間の前半(堅調)と後半(軟調)は相場が異なるので、最新6ヶ月(7月〜12月)の分配金を対象に分配金ランキングをまとめてみました。
※以下の表中の「順/年」は、年間ランキングでの順位
※「順/年」での「外」は、年間ランキングにないファンド
| 順位 | 順/年 | 運用会社 | 投資信託名 | 決算回数 | 分配金 |
| 1 | 1 | ピクテ投信 | ピクテ・NSPB・エマージング・ソブリン・ファンド(3ヵ月分配型) | 4 | 480 |
| 2 | 2 | 大和投信 | ハイグレード・オセアニア・ボンド・オープン(杏の実)3カ月決算型 | 4 | 450 |
| 3 | 7 | ニッセイアセット | ニッセイ/パトナム・ユーロインカムオープン | 4 | 440 |
| 4 | 3 | AIG投信 | AIG新成長国債インカムオープン(レインボーシート) | 6 | 420 |
| 5 | 5 | 野村アセット | ハイブリッド・インカムオープン | 6 | 380 |
| 6 | 9 | 野村アセット | ハイ・イールド ボンド オープン Dコース(為替ヘッジなし) | 6 | 308 |
| 7 | 10 | 三井住友アセット | 三井住友・USボンドオープン(為替ノーヘッジ型)(たのしみ) | 4 | 300 |
| 8 | 外 | JPモルガンアセット | JPM USトレジャリー・インカム・ファンド(3ヶ月決算型)(US・セレクト3M) | 4 | 270 |
| 8 | 外 | ピクテ投信 | ピクテ・ユーロ最高格付国債ファンド(3ヵ月決算型)(ユーロ・セレクト3M) | 4 | 270 |
| 8 | 外 | 三菱UFJ投信 | 三菱UFJ 海外債券オープン(四季の恵み(海外債券)) | 4 | 270 |
●順位の特徴
年間ランキングと特に異なることは、新興国対象のファンドの順位が下がり、先進国対象のファンドの順位が上がっています(前回調査結果と同じ傾向)。
ランクインしたファンドでは、新興国対象のファンドが減り、先進国対象のファンドが増えました。
●半期ランキングでランク外になった年間ランキングのファンド
・シュローダー・アジア債券オープン Bコース(為替ヘッジなし)
年間4位(半期16位:半期分配金200円)
シュローダー・アジア債券オープン Bコース(為替ヘッジなし)は、2月のボーナス分配(500円)が計算対象外になった影響です。これ以外の最近3回の分配金は全て毎期100円です。
●半期ランキングで新たにランクインしたファンド
・JPM USトレジャリー・インカム・ファンド(3ヶ月決算型)(US・セレクト3M)
・ピクテ・ユーロ最高格付国債ファンド(3ヵ月決算型)(ユーロ・セレクト3M)
・三菱UFJ 海外債券オープン(四季の恵み(海外債券))
新たにランクインしたファンドは、3本とも主に先進国対象のファンドです。
各ファンドは 毎期定額でやや高めの分配金(いずれの決算でも毎期135円)が対象期間に出ています。
2.リターン内容
※以下の表は総利益が多い順
※順/分は、分配金ランキングでの順位
| 順位 | 運用会社 | 投資信託名 | 分配金 | 手取分配金 | 値上益 | 総利益 |
| 1 | 大和投信 | ハイグレード・オセアニア・ボンド・オープン(杏の実)3カ月決算型 | 855 | 66234 | 1894 | 68127 |
| 2 | ニッセイアセット | ニッセイ/パトナム・ユーロインカムオープン | 640 | 42684 | 10968 | 53652 |
| 3 | 新光投信 | 海外物価連動国債ファンド(為替ヘッジなし)(PIファンド(為替ヘッジなし)) | 720 | 61111 | -19522 | 41589 |
| 4 | T&Dアセット | 世界物価連動国債ファンド(物価の優等生) | 610 | 50935 | -10855 | 40080 |
| 5 | AIG投信 | AIG新成長国債インカムオープン(レインボーシート) | 840 | 70421 | -39961 | 30460 |
| 6 | シュローダー投信 | シュローダー・アジア債券オープン Bコース(為替ヘッジなし) | 800 | 67427 | -51694 | 15733 |
| 7 | 野村アセット | ハイブリッド・インカムオープン | 765 | 58237 | -50667 | 7570 |
| 8 | 三井住友アセット | 三井住友・USボンドオープン(為替ノーヘッジ型)(たのしみ) | 600 | 54316 | -69304 | -14987 |
| 9 | ピクテ投信 | ピクテ・NSPB・エマージング・ソブリン・ファンド(3ヵ月分配型) | 960 | 72821 | -91869 | -19048 |
| 10 | 野村アセット | ハイ・イールド ボンド オープン Dコース(為替ヘッジなし) | 609 | 50781 | -86906 | -36124 |
総利益(元本の値上り益+分配金)でみると、総額で最も多いのは、前回調査結果と同様に、大和投資信託「ハイグレード・オセアニア・ボンド・オープン(杏の実) 3カ月決算型」です。
なお、分配金ランキング1位のピクテ・NSPB・エマージング・ソブリン・ファンド(3ヵ月分配型)は、総利益では9位です。手取り分配金は最も多いですが、元本の損失も最も多く、損失が分配金を上回っていることが影響しています。
順位をみると、上位は先進国の格付けの高い債券を投資対象にしているファンドが多いです。下位の方は、新興国向け、先進国のハイイールド債といった格付けの低い債券を投資対象にしているファンドが多いです。
下位の8位以降のファンドは米ドル建ての債券に投資しているファンドであり、最近のドル安が影響しているようです。
ベスト10のファンドの「総利益の平均値」をみると、前回14,748円に対し、今回18,705円に増加しています。
元本の値上り益が最も多いのは、前回調査結果と同様に、ニッセイ/パトナム・ユーロインカムオープンです。分配金ランキングでは7位であることから、運用益の分配を抑えていることが影響したようです。
為替(円高)などの影響によって、元本が損失となっているファンドは8本あります(前回調査結果と同数)。
ベスト10のファンドの「元本の値上り益の平均値」をみると、前回-46,172円に対し、今回-40,792円と損失額が減少しました。
3.コスト
※信託報酬が低い順に列挙
※手数料(販売手数料:税込み)、信託報酬は上限値
| 順位 | 運用会社 | 投資信託名 | 手数料 | 信託報酬 | 留保額 |
| 1 | T&Dアセット | 世界物価連動国債ファンド(物価の優等生) | 2.1 | 0.945 | 0.2 |
| 2 | 新光投信 | 海外物価連動国債ファンド(為替ヘッジなし)(PIファンド(為替ヘッジなし)) | 2.1 | 1.05 | 0.1 |
| 3 | ニッセイアセット | ニッセイ/パトナム・ユーロインカムオープン | 2.1 | 1.2075 | 0 |
| 4 | 大和投信 | ハイグレード・オセアニア・ボンド・オープン(杏の実)3カ月決算型 | 2.625 | 1.3125 | 0 |
| 4 | 野村アセット | ハイブリッド・インカムオープン | 3.15 | 1.3125 | 0 |
| 5 | 三井住友アセット | 三井住友・USボンドオープン(為替ノーヘッジ型)(たのしみ) | 2.1 | 1.5435 | 0 |
| 6 | 野村アセット | ハイ・イールド ボンド オープン Dコース(為替ヘッジなし) | 1.05 | 1.6485 | 0 |
| 7 | シュローダー投信 | シュローダー・アジア債券オープン Bコース(為替ヘッジなし) | 2.1 | 1.659 | 0.3 |
| 8 | AIG投信 | AIG新成長国債インカムオープン(レインボーシート) | 2.1 | 1.68 | 0 |
| 9 | ピクテ投信 | ピクテ・NSPB・エマージング・ソブリン・ファンド(3ヵ月分配型) | 3.15 | 1.995 | 0.3 |
販売手数料が最も低いのは1.05%です(ハイ・イールド ボンド オープン Dコース:為替ヘッジなし)。
販売手数料が最も高いのは3.15%で、ハイブリッド・インカムオープン、ピクテ・NSPB・エマージング・ソブリン・ファンド(3ヵ月分配型)の2本です。
信託報酬が最も低いのは0.945%で、T&Dアセット「世界物価連動国債ファンド(物価の優等生)」です。信託報酬が最も高いのは、ピクテ・NSPB・エマージング・ソブリン・ファンド(3ヵ月分配型)(1.995%)です。
ちなみに、対象ファンド(10本)の信託報酬の平均は、1.4354%です。
信託財産留保額では、なし(0)が最も多く(6本)、次に0.3%が多いです(2本)。
全般的にコストをみると、世界物価連動国債ファンド(物価の優等生)は比較的低く、ピクテ・NSPB・エマージング・ソブリン・ファンド(3ヵ月分配型)は高めです。
4.ファンド購入時のファンド選択案
今回の調査結果を参考にした場合、以下のとおりです。
1)分配金の獲得を優先したい場合(過去の実績を評価した場合)
ピクテ・NSPB・エマージング・ソブリン・ファンド(3ヵ月分配型)
投資対象は格付けが比較的低い新興国の債券なので、最近の調整の原因となった信用収縮がおきた時は、高格付けの公債主体の債券型ファンドよりも信用度が低いので、基準価格が下がる可能性があります。
基準価格の推移をみると、12月末に11月の調整前の価格の半分位まで戻しましたが、年初からの軟調の影響で、価格が下がっています。ここしばらくは、方向感が定まらないような推移になりそうです。
基準価格の推移(QUICK)
2)総利益の獲得を優先したい場合(過去の実績を評価した場合)
ハイグレード・オセアニア・ボンド・オープン(杏の実) 3カ月決算型
投資対象国の割合では、約90%がオーストラリア向け投資のため、この国の動向に左右されます。今までは円安による為替効果が結構ありましたが、円高になってくると、基準価格が上がりにくくなると思います。
従ってこのファンドのメリットである「元本の値上り益」を獲得しにくくなり、その結果、総利益が増えにくくなるような状況になる可能性があります。
基準価格の推移をみると、12月末に11月の調整前の価格の3分の1位まで戻しましたが、その後は横ばいの状態です。円高基調がしばらく続きそうなので、明確な上昇トレンドは出にくいように思えます。
基準価格の推移(QUICK)
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